どぶろくは世界へ
2015年からスペインと香港へ輸出を開始し、スペインでは世界的レストラン「ムガリッツ」などで取り扱われています。ムガリッツでは2017年から私たちのどぶろくを用いたコースが新設されています。海外では濁り酒を飲む文化がほぼないため、味わいも含めて新しいアルコール飲料として好評です。
どぶろくは日本で最も古典的なお酒とされ、その歴史は米作と同じとも言われます。
作り方は日本酒と同じですが、米、米麹、水を発酵させ、もろみをこさずに作ります。古来収穫した米を神に捧げるときにどぶろくを供えて、来年の豊作を祈願した風習があり、現在でも各地の神社で行われているようです。
遠野は、古くから各集落で密かにどぶろくを造る文化があり、国内のどぶろく特区の第1号の場所にもなりました。私たちのどぶろくは、そんな国内でも屈指のどぶろく文化が根付く土地で生まれました。
どぶろくは「素朴な味わい」と評されることが多いですが、一方で、田舎くさいと捉えられることも少なくありません。私たちは、その味に違和感を感じ、全く逆の味を目指すことにしました。日本酒の蔵元での修行など10年以上にわたる試行錯誤を経て、エレガントで洗練された味わいのどぶろくを造ることに成功しました。火入れをせずに丁寧に発酵させた生の「どぶろく」は、3ヶ月〜6ヶ月熟成させてからご提供しており、生きた酵母の影響で約2〜3年経っても酵母が死なないで保存が可能となっています。
また、私たちは「どぶろく」という古典的なお酒に対して、伝統的な清酒の製造法を応用することで米のおいしさを最大限引き出し、洗練された味を生み出すことができました。江戸時代に生まれた「生酛」、鎌倉時代に生まれた「水もと」がございますので、ぜひ味の違いを楽しんでいただけたらと思います。
2015年からスペインと香港へ輸出を開始し、スペインでは世界的レストラン「ムガリッツ」などで取り扱われています。ムガリッツでは2017年から私たちのどぶろくを用いたコースが新設されています。海外では濁り酒を飲む文化がほぼないため、味わいも含めて新しいアルコール飲料として好評です。
これまで理想のどぶろく造りに欠かせない原料の米も無農薬、無肥料で一貫して栽培してきましたが、これからは私たちの活動に賛同してくれた米農家から適正な価格で仕入を開始します。どぶろくのポテンシャルに手応えを感じている今、事業が拡大した先には日本の農業を活性化できるかもしれないと考えています。また、米農家にどぶろくの栽培方法を伝授していくことで、冬の間に自身でどぶろくを製造し販売できるようになり、生活の安定に寄与できると考えます。
これまで10年以上どぶろくを製造してきましたが、私たちは次のステージへと歩みを進めていきます。